小物・薄板の精密板金加工、試作加工 (有)長井技研 山形県長井市の町工場
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加工の豆知識 >> 加工方法記号 >> 表面処理 |
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(記号の形式) 以下に示す記号は、ラテン文字のアルファベット大文字1文字又は数文字を組み合わせたものになっています。 補足1) 記号の数をそろえる必要のある場合は、空白を埋めるためにアルファベットのうち、X を使用しています。 加工方法記号としては使用していません。 補足2) それぞれの加工方法の記号に対しては、引用されている英語が参考に示されています。 太字体は、引用した文字を表しています。
各種の表面処理加工関連の加工方法における記号は以下の通りです。 表面処理 S Surface Treatment
注(2) 他の加工方法記号と紛らわしくないときは、一字目の記号を省略しても差し支えない。 注(5) これらの記号の後に、使用する元素名を続けて用いる。 注(6) 種類の記号は、JIS H 0404(電気めっきの記号による表示方法)による。 <参考1:表面処理関連の加工用語解説> ◎洗浄 弱アルカリ、酸溶液、溶剤又はそれらの蒸気を用いて行う、表面の油分や汚れの除去。 この工程は、化学的又は電解で行われる場合が多い。 ◎アルカリ洗浄 アルカリ溶液による洗浄。 ◎脱スケール 鋼材又はその他の鉄素地からミルスケール(黒皮)又は層状さびを除去する操作。 塗料・塗装用語分野では、デスケーリングともいいます。 ◎電解洗浄 被洗浄物を陰極又は陽極として行う電解(※1)による洗浄。 (※1)電解 電解とは、電気分解ともいい、一対の電極を電解質溶液(単に電解液ともいい、電解質を水などの溶媒に溶かした溶液)などのイオン伝導体に挿入し、外部電源から電流を流して化学変化を起こさせる操作のことです。 ◎エマルジョン洗浄 乳化液を用いて行う被メッキ物の洗浄。 ◎酸洗い 鉄素地からミルスケール及び厚いさびの層を除くために、比較的長い時間、酸性の溶液中に浸して清浄にする処理。 一般に酸溶液中への浸漬による、酸化物などの除去をいいます。 ◎溶剤洗浄 有機溶剤を用いて行う被めっき物の洗浄脱脂。 ◎超音波洗浄 超音波によって、被洗浄物及び洗浄液に超音波を発振し、微振動を与えて行う洗浄方法。 ◎水洗 水によって行う洗浄。 ◎研磨 被メッキや被塗装物などの金属表面の素地の前処理(塗装においては素地調整ともいう)として、金属表面を滑らかにする処理。 ◎バフ研磨 バフ(※1)の周囲又は表面に種々の研磨剤などを付けて研磨する方法。 研磨の程度や工程によって、素地研磨(下地磨き)、仕上げ研磨(仕上げ磨き)、つや目磨きなどに分けられる。 (※1)バフ 布製又はその他の材料で作られた研磨輪のこと。 ◎ベルト研磨 研磨材(剤)の付着したベルトを使用する研磨方法。 そのまま用いる乾式と、水又は油を用いる湿式があります。 ◎バレル研磨 被研磨物を研磨材とともに回転又は振動容器中に入れて研磨する方法で、乾式と湿式とがある。 ◎化学研磨 金属表面の平滑さを改善するため、種々の組成の溶液中に浸漬し、化学的に表面を研磨し、平滑な光沢面とする方法。 化学研磨は、電気を使わず化学研磨薬品へ浸漬して金属表面を溶かして研磨し、表面の平滑化・光沢を実現する処理ですが、電解研磨よりも更に細かい部品の研磨に適しているのが一般的です。 ◎電解研磨 金属表面を特定溶液中で陽極溶解し、電気化学的に表面を研磨して平滑な光沢面とする方法。 電解研磨は、バフ研磨などの物理的研磨(機械研磨)に比べると、小さく細かい凸凹には非常に有効で光沢は出やすいですが、キズや比較的大きな凸凹は苦手であるのが一般的等の特徴があります。 特にオーステナイト系ステンレスやアルミニウムなどの表面の光沢・平滑化に良く使われています。 ◎液体ホーニング 微粒の研磨材を加えた水又はそれに適切な腐食抑制剤を加えたものを金属製品に噴射して清浄にし、同時になし地仕上げ(※1)にする方法。 粒状又は粉状の研磨材(※2)を含む液を品物に噴射して行う研磨方法。 (※1)なし地仕上げ なし地仕上げ(梨地仕上げ)とは、表面に機械的又は化学的処理によって微細な凹凸を均一に形成させた、無方向性のつや消し仕上げのことです。 (※2)研磨材 研磨材とは、削り、すりへらし又は磨くために使用する材料です。 そのうち特定のものを研磨材・たく(琢)磨材ということがあり、エメリ、アランダム、カーボランダム、ライムなどがあります。 ◎ブラスチング(ブラスト処理) 処理される加工面に固体金属、鉱物性又は植物性の研磨材を高速度で吹き付け、表面を清浄化、磨耗若しくは硬化させる方法。 対応国際規格では、使用する研磨材などの種類によって、 ・アブレシブブラスト(abrasive blasting) ・ビードブラスト(bead blasting) ・ガラスビードブラスト(glass bead blasting) ・カットワイヤブラスト(cut wire blasting) ・グリットブラスト(grit blasting) ・サンドブラスト(sand blasting) ・ショットブラスト(shot blasting) ・ウエットブラスト(wet blasting) のなどの用語が規定されています。 ブラスチング(ブラスト処理)は、金属製品に防せい防食を目的として塗料などを被覆する場合には、素地調整のために行われる作業です。 研削材に大きな運動エネルギーを与えて金属表面に衝突させ、金属表面を細かく切削及び打撃することによって、さびやスケールなどを除去し、金属表面を清浄化又は粗面化させます。 ◎グリットブラスチング(グリットブラスト) 鉄、鋼スラグ又はアルミナ(コランダム)のような特殊な材料を用いるブラスト処理(ブラスチング)のうちの一つの方法。 ブラスト処理(ブラスチング)の一種。 ◎ショットブラスチング(ショットブラスト) 金属製品の表面に圧縮空気又は遠心力などで、ショット、カットワイヤなど鋼粒ショットを高速で吹き付けて、表面のミルスケール、さびなどを除去して清浄にする工程、方法。 ブラスト処理(ブラスチング)の一種。 ◎サンドブラスチング(サンドブラスト) 金属製品に圧縮空気又は遠心力などで、砂又は粒状の研削材を吹き付けて表面のさびを除き清浄にする表面処理の方法。 ブラスト処理(ブラスチング)の一種。 ◎ウォータブラスチング(ウォータージェットブラスト) 極めて高圧の水を主体とする流れに研削材を加え、ジェット水流として噴射することによって金属製品の表面を清浄にする処理方法。 ブラスト処理(ブラスチング)の一種。 あらゆる形状の被処理物に対して、水が存在してはいけないところ以外の様々な場所での適用が可能であり、さび度の少ない鋼材の表面を高度の除せい度まで仕上ることができます。 ただし、ブラスト処理前に既に腐食が進行している鋼材の場合、そのさびを完全に除去することは困難です。 ◎ショットピーニング 球状微物(ショット)を鋼材の表面に噴射し、表面層に残留圧縮応力を生じさせ、かつ、加工硬化させながらある程度の仕上げ度を保持させる方法。 ショットピーニングに関しては、以下のJIS規格があります。 ・JISB2711(ショットピーニング) この規格では、機械要素などの表面に主として圧縮残留応力を与え、疲労、応力腐食割れなどに対する抵抗力の向上を図ることを目的として行うショットピーニングについて規定されています。 ◎陽極酸化 陽極酸化によって電極表面において起こる酸化反応。 陽極における電気化学的な酸化処理の総称を陽極酸化処理といいます。 (単に陽極処理ともいいます。) また、陽極酸化処理によって生成した皮膜を陽極酸化皮膜といいます。 ◎硬質陽極酸化 アルミニウム及びアルミニウム合金の展伸材や鋳造材などの素地に耐摩耗性などの目的で、硬質陽極酸化皮膜を施すための処理。 硬質陽極酸化皮膜は、低温の電解浴又は各種の有機酸を添加した特殊な電解浴を用いて処理されたアルミニウム材の表極酸化皮膜です。 通常の方法で処理された皮膜に比べて硬く、かつ、耐摩耗性に優れているという特徴があります。通常、封孔処理(※1)は行いません。 耐食性が要求される場合には封孔処理を行いますが、この場合、耐摩耗性は低下する傾向にあります。 (※1)封孔処理 陽極酸化によって生成した多孔性皮膜の微細孔を封じ、耐汚染性、耐食性などの物理的、化学的性質を改善する処理の総称。 水蒸気封孔、沸騰水封孔、低温封孔などがある。 なお、硬質陽極酸化皮膜については以下のJIS規格があります。 JIS H 8603 アルミニウム及びアルミニウム合金の硬質陽極酸化皮膜 ◎化成処理 化学及び電気化学的処理によって、金属表面に安定な化合物を生成させる処理。 りん酸塩処理、クロメート処理、黒染処理などがあります。 ◎ベーマイト処理 高温の純水中でアルミニウムの表面に皮膜を生成させる方法。 これに少量のアンモニア水などを添加して処理する場合もある。 ベーマイト法は、高温の純水中のほか、飽和水蒸気中で処理する場合もあります。 アルミニウムの表面に生成させた皮膜により、表面に塗装を施す場合には、塗装密着性も向上します。 ベーマイト法は、電解せずに(無電解で)金属表面上に化学酸化剤の反応によって化学的に酸化皮膜を生成させる表面処理であるアルミニウム及びアルミニウム合金の化成処理の一種です。 ◎クロメート処理 通常クロム酸及び/またはクロム酸塩からなる溶液を用いて行うある種の金属表面の化学的前処理。 クロメート処理、クロム酸-りん酸系処理などのクロム酸(塩)を含む水溶液による化成処理の総称です。 慣用的にはクロメート処理を意味することがあります。 a)亜鉛めっき(亜鉛メッキ)後のクロム酸系処理 亜鉛は、そのままでは白色のさびを生成しやすいですが、クロメート処理によって表面にクロム酸亜鉛の緻密な被膜ができて防せい力が大きくなります。 塩水に対しても強い耐久力を示す。 重クロム酸塩では黄金色に、無水クロム酸系では虹淡色の光沢のある仕上がりとなります。 b)クロム酸塩によるアルミニウムの化成処理 クロム酸塩のほか、ふっ化物などを加えた液に浸液し、黄金色の緻密な皮膜を作ります。 クロメートを主な成分とし、りん酸系処理に比べて防錆力が大きくなります。 アルミニウムのクロメート処理には、これ以外にクロム酸-りん酸系処理があります。 ◎りん酸塩処理 りん酸塩を含む水溶液で、化学的に皮膜を生成させる方法。 りん酸処理、或いは、りん酸塩化成処理ともいいます。 りん酸及び可溶性りん酸塩を主体とする水溶液で金属を処理し、その表面に不溶性のりん酸塩化成皮膜を作る表面処理方法で、化成処理の一種です。 ◎被覆法 金属の表面を防食するため、その表面に皮膜を施す表面処理の方法。 セラミックコーティング、プラスチックライニング、グラスライニングなどがあります。 ◎セラミックコーティング 酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、けい酸ジルコニウム、酸化クロムなどを溶融噴射などの方法によって、金属表面にセラミックの皮膜をする表面処理。 ◎ライニング 金属の表面を防食するため、その表面に、他の複合材料を比較的厚く被覆すること。 金属・無機物質などを溶射、焼き付け、はり合わせなどで被覆する無機質ライニングと、有機物質を流動浸せき、溶射、塗付、はり合わせなどで被覆する有機質ライニングとがあります。 ◎溶融めっき めっき(メッキ)しようとする物を溶融金属中に浸せきして、表面に金属皮膜を形成する方法。 溶融めっき(溶融メッキ)に関連するJISには以下などがあります。 ・JIS H0401(溶融亜鉛めっき試験方法) ・JIS H8641(溶融亜鉛めっき) ・JIS H8642(溶融アルミニウムめっき) ・JIS H8672(溶融アルミニウムめっき試験方法) ・JIS H9124(溶融亜鉛めっき作業指針) ◎電鋳 電気めっき法による金属製品の製造・補修又は複製法。 ◎ほうろう 金属表面にガラス層(膜)を被覆した複合材料。 ◎エッチング 金属又は非金属表面を化学的若しくは電気化学的に腐食する方法。 品物をマスキング(表面の部分的被覆保護)し、アルカリなどで所望の形状に食刻する方法もある。 広い意味では、何らかの浸食作用によって、表面から材料を除去することの総称。 化学研磨、電解研磨、イオンエッチング、熱エッチングなどが含まれる。 工業的には与えられたパターンに一致させて、材料を化学的又は電気化学的に除去することをいうことがあります。 転じて、金属表面を食刻することから、腐食のことをいうこともあります。 ◎金属溶射法 溶射材料に金属を用いて皮膜を形成する溶射の方法。 ◎着色 化学又は電気化学的浸せき法によって、装飾着色仕上げを得る方法。 ◎黒染め 金属材料の表面に四三酸化鉄皮膜(Fe3O4)(黒さび)を形成させる表面処理で、化成処理の一種。 乾式酸化法、過熱水蒸気法、溶融硝酸塩法、酸性着色法、陽極酸化法、アルカリ着色法などがあります。 ◎塗装 物体の表面に、塗料を用いて塗膜又は塗膜層を作る作業の総称。 ◎はけ塗り塗装 はけ(ハケ)を用いて塗料を塗る塗装方法。 ◎浸せき塗装 塗料を入れた槽の中に被塗物を浸した後引き上げる塗装方法。 余分の塗料は滴下して除きます。 浸し塗りともいいます。 ◎電着塗装 導電性のある物体を、水に分散した塗料の中に入れ、物体と他の金属体とが両極になるようにして電流を通し、物体に塗料を塗る塗装方法。 塗料中の塗膜形成要素と顔料とは帯電するので、物体がそれと反対の極になるように電流の方向を選べば、帯電したものは物体に付着し、電荷を失い、付着物は水に非分散性の被膜層になります。 一般には、この後に塗料から引き上げ、水で洗浄してから焼き付けます。 ◎静電塗装 霧化した塗料粒子と被塗物との間に静電電位差を掛けて、塗料の霧を被塗物に引き付けて塗る塗装方法。 塗料の霧は、回転円盤、スプレーガンなどで発生さます。 発生源に対する物体の裏側にも塗料が付着し、塗料の損失が少ないのが特徴です。 ◎粉体塗装 有機溶剤などの溶媒を用いずに粉末状(固体)の粉体塗料を使用して、粉末状のまま塗装して被塗物表面に塗膜を形成させる塗装方法。 ◎スプレ塗装(スプレー塗装) 圧縮空気などによって塗料を霧状にし、品物に塗装する方法。 簡易的なスプレー塗装としては、市販の塗装スプレー缶も多種ありますので、自分で塗装することも可能です。 簡塗装としては、複雑な形状、や手の届きにくい場所など、市販のスプレー塗装を使えば手軽に塗装することもできます。 ◎めっき(メッキ) 化学的、電気化学的な反応によって、被処理物に金属を析出させること。 ◎電気めっき(電気メッキ) 金属又は非金属表面に金属を電気化学的に皮膜を析出させる表面処理方法。 ◎無電解めっき(無電解メッキ) 金属又は非金属表面に外部電源を用いずに、金属を化学的に還元析出させる方法。 化学めっき(化学メッキ)ともいう。 ◎イオンプレーティング 電界を印加して発生したプラズマを利用し、蒸発原子をイオン化又は励起させ、基板上に薄膜を形成する成膜法。 ◎スパッタリング 加速された粒子が固体表面に衝突したとき、運動量の交換によって固体を構成する原子が空間へ放出される現象、及びこの現象を用いた成膜法。 略称として、単にスパッタとも言われます。 ◎蒸着 物質を気相状態とし、吸着、凝集、成長によって基板上に固体の膜を形成すること。 真空蒸着(※1)を略して蒸着ということが多い。 便宜上、物理蒸着(※2)と化学蒸着(※3)とに分類しています。 (※1)真空蒸着 真空中で物質を加熱蒸発し、基板に凝縮させ、薄膜を形成すること。 (※2)物理蒸着 高温加熱、スパッタリングなどの物理的方法で物質を蒸発し、基板に凝縮させ、薄膜を形成すること。 物理気相成長ともいう。 略称:PVD。 (※3)化学蒸着 気相化学反応によって、基板上に膜を形成させる方法。 化学気相成長ともいう。 略称:CVD。 ◎金属浸透法(溶融金属浸透法) 溶融金属を繊維間に浸透させて、複合材料を製造する方法。 戻る >> 加工の豆知識 >> 加工方法記号 >> 表面処理 |
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