以降に示す加工方法記号は、原則として、JIS規格に規定される以下のJIS本体から引用しています。
- JIS B 0122 加工方法記号 − Symbols of Metal Working Procese
1.適用範囲
加工方法記号(JIS B 0122)では、主として金属に対し一般に使用する二次加工以降の加工方法を、図面、工程表などに表示するのに用いる記号について規定されています。
以下のJIS規格が引用されています。
JIS H 0404
電気メッキの記号による表示方法
【参考】
電気めっき-亜鉛メッキ,ニッケル,クロム,金属,加工,記号,方法等-JIS用語
2.分類
加工方法の記号は、主に金属加工に対する加工方法として、それぞれ以下の種類に分類されています。
(分類ごとの加工方法記号は、リンク先のページに示します。)
- (1)鋳造
- 砂型鋳造、
- 金型鋳造、
- 精密鋳造、
- ダイカスト、
- 遠心鋳造、
- 低圧鋳造、
- 減圧鋳造、
- 高圧鋳造、
- 連続鋳造
- などの加工方法記号について
- (2)塑性加工
- 鍛造(自由鍛造、型鍛造関連)、
- プレス加工(せん断、プレス抜き、曲げ、プレス絞り、フォーミング、スタンピング関連)、
- スピニング、
- 転造、(ねじ転造、歯車転造、スプライン転造、セレーション転造、ローレット切り、バニシ仕上げ、ダイス関連)、
- 圧延、
- 押出し、
- 引抜き
- などの加工方法記号について
- 【参考】
- プレス機械-プレス用語,油圧,クランク,液圧,安全,種類,加工,金型,定義,装置等-JIS規格
- (3)機械加工
- 切削(旋削、穴あけ、中ぐり、フライス削り、平削り、形削り、立削り、ブローチ削り、のこ引き、歯切り関連)、
- 研削(円筒研削、内面研削、平面研削、倣い研削、ねじ研削、ラッピング、ホーニング、超仕上げ関連)、
- 特殊加工(放電加工、電解加工、電解研削、超音波加工、電子ビーム加工、レーザ加工関連)
- などの加工方法記号について
- 【参考】
- 工作機械-フライス盤,ボール盤,旋盤,用語,名称,加工,方法,NC,削り,研削,レーザー・ワイヤー等-JIS規格
- (4)手仕上げ
- はつり、
- 研磨布紙仕上げ、
- やすり仕上げ、
- ラップ仕上げ、
- つや出し、
- リーマ仕上げ、
- きさげ仕上げ、
- ブラッシ仕上げ
- などの加工方法記号について
- (5)溶接
- アーク溶接、
- 抵抗溶接、
- ガス溶接、
- ろう付け、
- はんだ付け
- などの加工方法記号について
- 【参考】
- 溶接用語-アーク溶接,溶接機,方法,種類,記号,TIG,ガス,スポット,継手,開先等-JIS規格
- (6)熱処理
- 焼ならし、焼なまし(完全、応力除去焼なまし、拡散焼なまし、等温焼なまし、光輝焼なまし関連)、
- 焼入れ(プレス焼入れ、マルテンパ、オーステンパ、高周波焼入れ、固溶化熱処理関連)、
- 焼戻し、
- 時効、
- サブゼロ処理、
- 浸炭、
- 窒化、
- 浸硫
- などの加工方法記号について
- 【参考】
- 金属製品熱処理-真空,固溶化,調質,硬質,鋼等のJIS規格用語
- 鉄鋼用語-鋼材の焼入れ,熱処理,JIS規格鋼製品の材質,種類,品質,試験等
- (7)表面処理
- 洗浄(アルカリ洗浄、電解洗浄、エマルジョン洗浄、酸洗い、超音波洗浄関連)、
- 研磨(バフ研磨、バレル研磨、化学研磨、電解研磨、液体ホーニング関連)、
- ブラスチング(グリットブラスチング、ショットブラスチング、サンドブラスチング関連)、
- 機械的硬化(ショットピーニング関連)、
- 陽極酸化、
- 化成処理(ベーマイト処理、クロメート処理関連)、
- 溶融メッキ、
- エッチング、
- 塗装(はけ塗り塗装、浸せき塗装、電着塗装、粉体塗装、スプレー塗装関連)、
- メッキ(電気メッキ、無電解メッキ関連)、
- スパッタリング、
- 蒸着
- などの加工方法記号について
- 【参考】
- 電気めっき-亜鉛メッキ,ニッケル,クロム,金属,加工,記号,方法等-JIS用語
- アルミニウム表面処理-合金,酸化,硫酸,性質,腐食等のJIS用語
- 塗料用語-耐熱,ウレタン,樹脂,断熱,船底,水性など塗装塗料の種類,ペイント,塗膜,プライマー,乾燥方法等
- (8)組付け
- 結合、
- はめ込み、
- コーキング、
- スエージング、
- 接着、
- バランシング、
- 現物合わせ、
- 刻印、
- 配線、
- 配管、
- 調整、
- 運転
- などの加工方法記号について
- (9)その他
- ひずみ取り、
- 枯らし、
- けがき、
- かえり取り、
- ばり取り、
- 検査、
- 試験
- などの加工方法記号について
- (参考):加工方法に使用する場合の工作機械の種類を表す記号
- 旋盤(普通旋盤、卓上旋盤、タレット旋盤自動旋盤関連)、
- ボール盤(直立ボール盤、ラジアルボール盤、卓上ボール盤関連)、
- 中ぐり盤(横中ぐり盤、ジグ中ぐり盤、精密中ぐり盤関連)、
- フライス盤(ひざ形フライス盤、万能フライス盤、卓上フライス盤関連)、
- 平削り盤、
- 形削り盤、
- 立削り盤、
- ブローチ盤、
- 金切りのこ盤、
- 研削盤(円筒研削盤、万能研削盤、心無し研削盤関連)、
- 表面仕上盤(ホーニング盤、超仕上げ盤、バフ盤関連)、
- 歯切り盤、
- 歯車研削盤、
- 歯車仕上盤、
- 特殊加工機(放電加工機、電解加工機、電解研削盤、超音波加工機関連)、
- 数値制御工作機械(数値制御旋盤、数値制御フライス盤、数値制御研削盤、マシニングセンタ関連)
- などの工作機械の種類を表す記号について
- 【参考】
- 工作機械-フライス盤,ボール盤,旋盤,用語,名称,加工,方法,NC,削り,研削,レーザー・ワイヤー等-JIS規格
3.記号の形式
記号は、ラテン文字のアルファベット大文字1文字又は数文字を組み合わせたものになっています。
備考1.
記号の数をそろえる必要のある場合は、空白を埋めるためにアルファベットのうち、X を使用しています。
加工方法記号としては使用していません。
備考2.
それぞれの加工方法の記号に対しては、引用されている英語が参考に示されています。
太字体は、引用した文字を表しています。
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