番号 |
用語 |
定義 |
対応英語
(参考) |
1100 |
銅 |
銅 99.90%以上の金属。
参考:
代表的なものに、無酸素銅(1101参照)、タフピッチ銅(1102参照)、りん脱酸銅(1103参照) などがある。 |
copper |
1101 |
無酸素銅 |
酸化銅(I)[Cu2O](5105参照)や残留脱酸剤を含まない銅 99.96%以上の金属(C1011、C1020)。
参考:
電気・熱の伝導性に優れ、還元性雰囲気中で高温加熱しても水素ぜい化を起こさない。 |
oxygen-free copper |
1102 |
タフピッチ銅 |
酸化銅(I)[Cu2O](5105参照)の状態で酸素を0.02〜0.05%含む銅 99.90%以上の金属(C1100)。
参考:
電気・熱の伝導性に優れるが、還元性雰囲気中で高温加熱すると水素ぜい化を起こす場合がある。 |
tough pitch copper |
1103 |
りん脱酸銅 |
りんによって脱酸(2120参照)され、酸化銅(I)[Cu2O](5105参照)を含まない銅 99.90%以上の金属(C1201〜C1221)。
参考:
残留りん量によって高りん脱酸銅と低りん脱酸銅とがある。前者は、水素ぜい化の心配はないが、導電性が低下する。後者は、導電性の低下は少ないが、条件によっては水素ぜい化のおそれもある。 |
phosphorous deoxidized copper |
1110 |
すず入り銅 |
銅にすずを 0.05〜0.2%、りんを0.04%以下添加した高銅合金(1191参照)。
参考:
耐熱性が向上し、リードフレーム、ラジエータ用フィンなどに用いられる。 |
tin bearing copper |
1111 |
銀入り銅 |
銅に銀を0.08〜0.25%添加した高銅合金(1191参照)。
参考:
耐熱性が向上し、JIS C 2801 (整流子片)などに用いられる。 |
silver bearing copper |
1112 |
ジルコニウム銅 |
銅にジルコニウムを0.02〜0.2%添加した析出硬化形の高銅合金(1191参照)。
参考:
強度、導電性、耐熱性に優れ、リードフレームなどに用いられる。 |
copper-zirconium alloys |
1113 |
クロム銅 |
銅にクロムを0.4〜1.2%添加した析出硬化形の高銅合金(1191参照)。
参考:
耐熱性、導電性に優れ、抵抗溶接用電極などに用いられる。 |
copper-chromium alloys |
1114 |
テルル銅 |
銅にテルルを0.3〜2.0%添加した高銅合金(1191参照)。
参考:
被削性(3172参照)に優れ、放電加工用電極、トーチ火口(ひぐち)などの切削加工材に用いられる。 |
copper-tellurium alloys |
1115 |
チタン銅 |
銅にチタンを1.0〜4.0%添加した析出硬化形の高銅合金(1191参照)。
参考:
冷間加工(2300参照)と時効硬化(2535参照)処理によってベリリウム銅(1116参照)に匹敵する強度が得られ、ばね材料などに用いられる。 |
copper-titanium alloys |
1116 |
ベリリウム銅 |
銅にベリリウム0.4〜2.2%と少量のコバルト、ニッケル及び鉄を添加した析出硬化形の高銅合金(1191参照)。
参考:
冷間加工(2300参照)と時効硬化(2535参照)処理によって銅に匹敵する強度が得られ、ばね材料などに用いられる。
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copper-beryllium alloys |
1117 |
快削ベリリウム銅 |
銅にベリリウム0.4〜2.0%、鉛0.2〜1.2%に少量のコバルト、ニッケル及び鉄を添加した析出硬化形の高銅合金(1191参照)。
参考:
鉛を添加してベリリウム銅の被削性(3172参照)を改良したもので、通常、棒として供給されコネクタなどに用いられる。 |
free-cutting copper-beryllium alloys |
1118 |
鉄入り銅 |
銅に鉄を0.1〜2.6%、りんを0.01〜0.3%添加した析出硬化形の高銅合金(1191参照)。
参考:
時効硬化(2535参照)処理によって強度、耐熱性及び導電性を高めることができ、リードフレームなどに用いられる。 |
copper-iron alloys |
1119 |
含りん銅 |
りん脱酸銅(1103参照)のりん上限値(0.040%)以上のりんを添加した銅。
参考:
銅めっき(銅メッキ)のアノードとして用いられる。 |
high phosphorous copper |
1130 |
丹銅 |
銅78.5〜96.0%、残り亜鉛からなる合金(5100参照)(C2100〜C2400)。
参考:
淡紅色の色調を呈することによってこの名称がある。建材、装身具などに用いられる。 |
red brass |
1131 |
黄銅 |
銅を主成分(59.0〜71.5%)とする亜鉛との合金(5100参照)(C2600〜C2801)。
参考1.
ただし、亜鉛以外の元素の添加がある場合は、次のすべてを満たすこと。
a)亜鉛の量が他の各元素より大
b)ニッケル含有量は5%以下
c)すず含有量wh3.5%以下
参考2.
銅と亜鉛の割合によって 60/40黄銅、65/35黄銅、70/30黄銅と呼ばれる場合もある。 |
copper-zinc alloys ;
brass |
1132 |
快削黄銅 |
銅 56.0〜63.0%、鉛 1.8〜4.5%、残り亜鉛からなる合金(5100参照)(C3560〜C3713)。
参考:
鉛を添加して黄銅(1131参照)の被削性(3172参照)を改良したもので、銅合金中で最高の被削性をもち、切削加工によってねじ、歯車などに仕上げられ、機械部品などに用いられる。 |
free-cutting brass |
1133 |
鍛造用黄銅 |
銅 57.0〜62.0%、鉛 0.25〜2.5%、残り亜鉛からなる合金(5100参照)(C3712〜C3771)。
参考:
被削性(3172参照)を害することなく、熱間鍛造性(2240参照)を付与したものである。バルブ、機械部品などに用いられる。 |
brass for forging ;
forging brass |
1134 |
高力黄銅 |
銅 55.0〜60.5%の黄銅(1131参照)にアルミニウム2.0%以下、マンガン3.0%以下、鉄1.5%以下を添加した合金(5100参照)(C6782、C6783)。
参考:
黄銅に高強度をもたせたもので、船舶用プロペラ軸、ポンプ軸などに用いられる。 |
high strength brass |
1135 |
すず入り黄銅 |
銅 80.0〜95.0%、すず 1.5〜3.5%、残り亜鉛からなる合金(5100参照)。
参考:
強度、ばね性に優れ、コネクタなどに用いられる。 |
tin bearing brass |
1136 |
アドミラルティ黄銅 |
銅 70.0〜73.0%、すず 0.9〜1.2%、ひ素0.02〜0.06%、残り亜鉛からなる合金(5100参照)(C4430)。
参考:
主に淡水を冷却水とする熱交換器管として用いられる。英国で開発され、軍艦の復水器管として用いられたので、この名がある。 |
admiralty brass |
1137 |
ネーバル黄銅 |
銅 59.0〜64.0%、すず 0.50〜1.5%、残り亜鉛からなる合金(5100参照)(C4621〜C4641)。
参考:
強度と耐海水性に優れている。管板(1305参照)、その他海洋構造材として用いられる。 |
naval brass |
1138 |
アルミニウム黄銅 |
銅 76.0〜79.0%、アルミニウム 1.8〜2.5%、ひ素0.02〜0.06%、残り亜鉛からなる合金(5100参照)(C6870)。
参考:
耐海水性に優れ、熱交換器及び復水器用伝熱管に用いられる。けい素、ニッケルなどを少量添加したものもある(C6871、C6872)。 |
aluminium brass |
1150 |
青銅 |
銅を主成分とする すずとの合金(5100参照)。 |
copper-tin alloys ;
bronze |
1151 |
りん青銅 |
銅を主成分として、すず3.5〜9.0%、りん0.03〜0.35% を含む合金(5100参照)(C5102、C5111、C5191、C5210、C5212)。
参考:
ばね性に優れ、電気機器用ばね材などに用いられる。すず 1.0〜3.5%の低すずリン青銅もある。 |
phosphor bronze |
1152 |
快削りん青銅 |
銅を主成分として、すず3.5〜5.8%、りん0.01〜0.50% 、鉛0.8〜4.5%、亜鉛4.5%以下を含む合金(5100参照)(C5341、C5441)。
参考:
鉛を添加してリン青銅(1151参照)の被削性(3172参照)を改良した合金で、コネクタなどに用いられる。 |
free-cutting phosphor bronze |
1153 |
アルミニウム青銅 |
銅 77.0〜92.5%、アルミニウム 6.0〜12.0%、鉄1.5〜6.0%、ニッケル7.0%以下、マンガン2.0%以下からなる合金(5100参照)(C6140〜C6301)。
参考:
強度、耐食性、耐摩耗性に優れ、車両機械、船舶用部品などに用いられる。 |
copper-alminium alloys ;
aluminium bornze |
1170 |
白銅 |
銅を主成分として、ニッケル9.0〜33.0%、鉄0.40〜2.3% 、マンガン0.20〜2.5%、亜鉛1.0%以下を含む合金(5100参照)(C7060〜C7164)。
参考:
耐海水性と高温強度に優れ、熱交換器用伝熱管として用いられる。銅 74.0〜76.0%、ニッケル 24.0〜26.0%の貨幣用の合金もある。 |
copper-nickel alloys ;
cupronickel |
1180 |
洋白 |
銅 54.0〜75.0%、ニッケル5.0%以上、マンガン0〜0.50%、残り亜鉛からなる合金(5100参照)(C7351〜C7701)。
参考:
銀白色を呈し、対疲労性、耐食性に優れ、水晶振動子キャップ、洋食器などに用いられる。 |
copper-nickel-zinc alloys ;
nickel silver |
1181 |
快削洋白 |
銅 60.0〜64.0%、ニッケル16.5〜19.5%以上、鉛0.8〜1.8%、マンガン0〜0.50%、残り亜鉛からなる合金(5100参照)(C7941)。
参考:
洋白(1180参照)に鉛を添加して被削性(3172参照)を改良した合金で、ねじ、かぎなどに用いられる。 |
free-cutting nickel silver |
1190 |
銅合金 |
銅を主成分とし、それに合金元素(5101参照)を添加した合金(5100参照)(C7941)。 |
copper alloys |
1191 |
高銅合金 |
銅を主成分とし、それに合金元素(5101参照)を添加し、銅96.0%以上で他の合金系に属さないもの(1110〜1118参照)。 |
high copper alloys |
1192 |
合金番号 |
材料の種類を表す番号。
参考:
伸銅品(1201参照)の材質記号は、Cと4けたの数字で表す。
第1位 ⇒ 銅及び銅合金を表す C
第2位 ⇒ 主要添加元素による合金の系統を表す
1: Cu・高Cu系合金
2: Cu-Zn系合金
3: Cu-Zn-Pb系合金
4: Cu-Zn-Sn系合金
5: Cu-Sn系合金・Cu-Sn-Pb系合金
6: Cu-Al系合金・Cu-Si系合金・特殊Cu-Zn系合金
7: Cu-Ni系合金・Cu-Ni-Zn系合金
第3位〜5位 ⇒ 合金系統内における各合金の区別を示す(原則として銅分の多い順)
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alloy number |
1193 |
形状記号 |
英語名の頭文字をとって、板、条、管、棒、線などの形状別の種類を示した記号。
P:条(Plate)、 T:管(Tube)、 W:線(Wire)、 R:条(Ribbon)、 B:棒(Bar) |
shape designation |